空き家解消に向け、「空家等対策の推進に関する特別措置法」が、2014年11月19日の参議院本会議において全会一致で可決、成立し、11月27日に公布されましたね。ではどのような法律なのかお話します。
「空き家対策特別措置法」の狙いは2つあります。1つは増え続ける空き家への対策です。
この特別措置法は、市町村の権限強化を目的としています。そのまま放置すれば倒壊の恐れのある空き家や衛生上著しく有害となる恐れのある空き家などを「特定空家等」と位置付け、人口減少などが原因で増加する空き家対策を進めるための撤去や修繕の命令が出来るようになりました。
今までも地方自治体では空き家の管理条例などを制定して対応を進めてきたが、空き家は個人の財産なので、市町村は条例などで所有者に適切な管理の勧告や命令をしても、適正な管理が行われない場合も多くそのまま放置されていました。
この特別措置法により、所有者が従わない場合は、地方自治体などの行政機関が所有者に代わって撤去する「行政代執行」(所有者が命令に従わない場合や所有者が不明な場合)を行う事によって生活環境の保全を図ることもできるようになります。
また市町村は、危険な状態の空き家の所有者を迅速に特定できるよう、課税のための個人情報を必要な範囲において利用できるようになり、固定資産税の課税情報の利用が許可されました。生活環境保全のために、空き家と認められる場所に立ち入って調査することもできます。
もう1つの狙いは、活用できる空き家の有効活用です。市町村に、空き家のデータベース(空家バンク)を整備し、空き家や跡地の活用を促進することが求められています。
市町村では、倒壊する恐れのある空き家への対応など空き家に関する対策についての計画を定めることができます。そのほか、空き家対策を円滑に進めるために、必要な費用の補助や税制上の措置などを講じることも盛り込まれました。
撤去に費用が掛かることや、撤去後に掛かる固定資産税が大きく跳ね上がることなど、空き家の撤去が進まない問題への対策が急務となっています。
また国土交通省では、問題のある空き家とそうでない空き家の判断基準など、ガイドライン作成が進んでおり今回法案に盛り込まれなかった、固定資産税の減額についても見直しを検討しています。
(※)空き家を撤去し更地にすると固定資産税の軽減措置が受けられなくなるので、不要な住宅の放置につながるのではと期待されています。(固定資産税については改めてご説明しますね。)
まとめ
空き家は管理するだけでなく、管理しながらどのように有効活用するのか?資産として保有するのか売却するのか?・相続する方法は?など問題は多岐にわたります。空き家問題を受けて、昨年から、所有者に代わって空き家を管理するサービスや空き家を診断し活用方法を提案するサービスなどを開始する会社が増えてきていますが空家問題を総合的にワンストップでサービスできる会社はまだ少ないと思います。今後は不動産会社を中心とした空家問題の対策をコーディネートできるネットワーク作りも急務と思います。
総務省統計局の「2013年度住宅・土地統計調査(速報集計)」によると、全国の住宅に占める空き家の割合は2013年10月時点で13.5%、820万戸に上り、年々増加しています。住宅の解体やリフォーム等が進まないと2023年には空き家率が21.0%(10件に2件)にまで増加するという野村総合研究所の予測もあります。
市町村がしっかり空き家対策に取り組むことはもちろん、所有者自身が行政任せにせず空き家にしない方策を考えなければこの問題はますます大きな問題となります。
空家問題解決・空家管理の事は株式会社リーフクリエーションまでお気軽にお問合せ下さいね
【参考】
参議院HP
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/187/meisai/m18705187011.htm