近年、空き家の増加が社会問題として大きく取り上げられることが増えてきています。
しかし、空き家自体が存在することは特に問題がなく、
住み替え(いわゆる引っ越し) するには空き家が必要ですし、
住宅市場という1つのマーケットが成立するためにも不可欠なものです。
とはいえ、この空き家が過剰に存在するようであれば、
そこには様々な問題が出てきます。
例えば、
空き家がどんどん増えていくことで、管理が行き届かなくなり放置物件となると、
人の手が入らないまま劣化して老朽化したり、
場所によっては景観の問題に繋がる場合もあります。
また、防犯や防災の観点からは、事件、事故の危険性が高まり、
地域の不安定要因となることも考えられます。
そのため、この空き家問題にしっかり対策、対応していくことは、
ますます重要となっています。
住宅の種類を大別した時、
「賃貸用」が最も構成比が高く全体の約半数になりますが、
次いで多いのが 「その他」とされる、
用途の決まっていない住宅が4割近くもあり、
この中には利用目的が明確にならない 放置物件も多く含まれていると考えられていて、さらに、3割近い物件に関して老朽化や破損があるといわれています。
空き家問題に対する課題としては、人が関知しない住宅や物件をいかに減らすか、
ということがありますが、
そのためには、空き家への入居促進である「中古住宅市場」を拡大させる必要があります。
新築偏重の供給過多を改善し、空き家入居率を上げることが、
問題解決の1つといえます。
また、どうしても活用できない不要物件に関しては、
除却等に関して行政による仕組み作りが急務です。
国も対策を打出しており、
空家等対策の推進に関する特別措置法(平成27年2月26日施行)が施行され 今後、市区町村の条例整備や地域ぐるみでの空家対策の整備が進むと期待されます。